オシャレで人気の片流れ屋根の特徴と注意点

片流れ屋根の特徴や注意すべきことなどを紹介していきたいと思います。

1.片流れ屋根とは?

片流れ屋根とは、どちらかの方向(東西南北)一面のみになっている屋根を言います。
シンプルに片側に斜めについているの屋根のことですね。
屋根の形、大きさには様々な種類がありますが、片流れ屋根はオシャレで人気があります。


一般的な三角形の屋根(切り妻、寄棟)に比べ、デッドスペースを小屋裏などにできます。

昨今、都会に人口が集まりがちでありますが、近年のコロナの影響もあり郊外に平屋を建築する人も増えてきています。

平屋にも片流れ屋根はとてもオシャレです。
そのような現状もあるからこそ、片流れ屋根が一気に普及しているのです。

 

2.片流れ屋根は雨漏りが多いって本当なの?

基本的に雨漏りは、屋根の形が複雑になるほど危険度も高くなります。
屋根形が複雑になれば板金等が増えるので、そこから雨が浸入しやすくなります。

片流れ屋根は屋根の形の中でも、最もシンプルな屋根形状でしょう。
なぜシンプルな片流れ屋根の形状で雨漏りのリスクが高くなってしまうのか

その疑問はは、雨水の流れが関係しています。

特に勾配(屋根の角度)があまりないと屋根の頂上付近に落ちた雨水が、屋根の構造上外壁に向かって流れてしまうのです。

このとき屋根の裏側を伝って、外壁と屋根とのごくわずかな隙間から建物内に雨水が浸入する恐れがあります。

 

 屋根と外壁の接合部の処理が徹底されていないと、塗装などが劣化していなくても雨漏りに繋がってしまいます
これが、片流れ屋根で発生する雨漏りにおいて、最も多いパターンとなります。

しかし、屋根頂上の板金をつける前にルーフィング(屋根の下地材)や透湿シートを織り込んだり、捨てコーキングをすることで

雨漏りは防げます。

 

瑕疵保険会社の調査によると、新築で発生した雨漏りトラブルの約50%が片流れ屋根で発生しているというデータもあります。

 

3.片流れ屋根のメリットは?!

3-1.建築コストが安価

片流れ屋根は構造がシンプルなため、建築コストを安く抑えることができます。
屋根に接合面がなく、屋根板金などは必要ありません。(一部を除いて)
また、雨どいも一方向に取り付けるだけでOKとなります。

しかし、屋根勾配(屋根の角度)があまり少ないと普及帯のカラーベスト葺き(コロニアル)が使用できず、板金屋根になるとコストが上がる場合があります。

 

3-2.見た目のオシャレさ

片流れ屋根が増えている要因が、見た目のオシャレさにあります。
1枚の屋根面から作り出されるシンプルな片流れ屋根は、非常にモダンでオシャレな見た目で人気になっています。

最近では、建物本体もモダンな雰囲気のものが増えてきています。
このような建物に、片流れ屋根はマッチするのです。

3-3.太陽光パネルをたくさん設置できる

太陽光発電システムを屋根に取り付ければ、月々の電気代を節約することができます。
場合によっては、電気を売ってランニングコストを下げることもできます。

片流れ屋根は、屋根全面が一方向に向くため、太陽光パネルを数多く設置することができます。
特に南向きの片流れ屋根なら、最大の発電効率で太陽光発電を運用できるのです。(近隣や太陽光パネルメーカーによります)
太陽光パネルの設置をお考えなら、屋根の勾配(屋根の角度)を調節することでさらに効率を高めることもできます。

太陽光パネルを設置するのならば、片流れ屋根が最も適した形と言えるます。

3-4.屋根裏スペースを有効活用できる

片流れ屋根の家は、その形状から屋根裏スペースを広く取れます。
屋根裏とは言え、外壁部に窓を設置できるので、普通の部屋としても使用することも可能です。

その他、天井を屋根面に合わせるように設定すれば、勾配天井にして天井の高い開放的な空間も作れます。
設計次第で室内空間もオシャレに構成、設計できます。

 

4.片流れ屋根のデメリットは?!

片流れ屋根は、雨漏りに弱いという大きなデメリットがあります。(しっかり施工すれば問題はありません)
もちろん必ず雨漏りが発生するわけではありません

4-1.屋根や外壁が劣化しやすい

屋根が降りていない3つの外壁面は、非常に小さな軒しか付いていません。
中には、まったく軒のない片流れ屋根の建物もよく目にします。
軒がないということは、紫外線や風雨の影響を外壁が直接受けるということです。
当然、紫外線などの影響が大きい分、劣化も早く進行してしまいます。

なのでラジカル入りの塗装材をおすすめします。

4-2.雨どいの負担が大きい

片流れ屋根は、雨どいが一方向への取り付けになります。
ですので、屋根に降る雨水が、全て一方向の雨どいに集中してしまいます。
そのため、雨どいへの負担は、普通の屋根に比べて大きくなります。

負担が大きくなれば、それだけ破損や不具合が生じる可能性は高くなります。

しかし、雨どいの大きさを大きくしたり、集水桝の数を増やしたりできる対策はあります。

多少の負担は避けることができないため、不具合を起こさないよう、破損などがないか定期的にチェックするようにしてください。

 

 

5.片流れ屋根で雨漏りを抑えるための注意点

雨漏りが心配される片流れ屋根ですが、全ての建物で雨漏りが発生しているわけではありません。

先にもご説明したようにしっかり順序を踏んだ施工をすれば雨漏りの心配はありません。


以下で説明することに注意していれば、雨漏りを簡単に防ぐことができます。

5-1.伝い水を防ぐ施工をする

片流れ屋根で発生する多くの意雨漏りは、屋根の裏側を雨水が伝って建物内に浸入することにより発生しています。
ですので、伝い水が建物内に浸入しないようにしっかり順序を追って施工すれば、雨漏りを防ぐことができるということです。

そもそも隙間を覆ってしまえば、水が伝って浸入することもなくなります。
しっかり捨てコーキングをすることも忘れないようにしましょう。

 

5-2.換気ができる構造を作る

雨漏りは、屋根そのものが劣化することによっても引き起こされます。
屋根の劣化は湿度が高いと進行するので、適切に換気ができることが雨漏りを防ぐ上でも重要と言えます。

空気の流れを考えてどのように空気が流れるかしっかり考えて換気道を作ることが大事です。

5-3.屋根と外壁の接合面に注意が必要

片流れ屋根自体は、接合面のない一枚屋根のため雨漏りに強いと言えます。
ただ、構造上屋根と外壁の接合部分に雨水が浸入しやすいことから、雨漏りが発生します。

と言うことは、接合面さえしっかり施工しておけば、雨漏りを防ぐことは可能となります。

外壁の塗装や屋根と外壁の接合部分などが劣化(コーキングが切れてしまう)すると、雨漏りの危険は高まります。
そのため、定期的に塗装や接合部分をチェックするようにしてください。
定期的な点検、メンテナンスを施すことこそ、雨漏りを防ぐ最大の要因となります。

6.まとめ

片流れ屋根の雨漏りを防ぐには、定期的なメンテナンスが必要です。
弱点部分が劣化する前に処置すれば、片流れ屋根でも雨漏りの心配はありません。

メッセージ

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生まれ育った滑川町で、川本住宅工房をスタートしてから26年が経ちました。
私はこれまでたくさんの住宅工事に携わってきましたが、お客様が住宅を建てるというのは、1度の人生の中でそう何度もあることではありません。

現場ひとつひとつが一度きり、どんな些細な事も見逃さず・妥協せず・実直に住宅工事と向き合ってきました。
地元の皆様からご紹介をいただける喜びをかみしめながら、皆様のご期待に沿えるよう現場ひとつひとつを大切にしてまいります。

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