あなたのおうちやお店の壁の調子はいかがでしょうか。色がところどころ剥がれはじめていたりしませんか? 塗装時に使う塗料には、特徴や強み・弱みがあります。本記事では、外壁塗装時に使う塗料の耐久性について説明します。
1. 外壁塗装に使用する塗料の種類
外壁塗装に使用する塗料は、さまざまな材料でできていています。塗料の中に主に使用されているものとして、以下のものがあります。
1-1. 樹脂性の塗料
アクリル・ウレタン・フッ素の3種類の樹脂は、主として塗料の材料に使用されています。
1-2. 特殊な機能をもつ塗料
主な塗料として、光触媒・ラジカル制御形・無機があります。これらはカビや湿気のような外部因子から外壁を守ってくれる特徴を持ち合わせています。
2. 樹脂を含む塗料の耐久性
塗料には何種類もあるとおわかりいただけたかと思います。含まれている樹脂が違うように、耐久性ももちろん異なります。しかし耐久性には、メーカーによってさまざまな考え方があるので、具体的な年数を断言しがたいものです。ここでは、塗料のおおよその耐用年数もあわせて解説します。
2-1. アクリル樹脂の塗料
アクリル塗料は発色や着色がよく、色も豊富です。かかるコストも低いので、DIYでも使えるほど手軽に入手できます。
その反面汚れやすい、紫外線に弱いのが特徴です。また耐用年数が3~5年なだけに頻繁に塗り替えをする必要があるため、耐久性は低いといえます。それゆえに近年の外壁塗装にはあまり使用されません。
アクリル樹脂の不純物を除き、アクリル塗料の弱みをカバーしたものがピュアアクリル塗料です。塗料内の純度が高いため、耐用年数も最長で15年ほどとなり、耐久性もアクリル塗料と比べると大幅に高くなります。その分、コストも高くなるのです。
2-2. ウレタン樹脂の塗料
ウレタン塗料は、密着性に優れています。塗料に含まれている樹脂の柔軟性は高く、細かいところにも塗布しやすいように塗布できる選択肢に富んでいます。耐用年数も7~10年のため、耐久性もアクリル塗料より優れ、コストもそれほどかかりません。
ウレタン塗料も耐用年数が決して長いと言い切れないため、汚れやすく、紫外線による劣化は避けられません。
2-3. フッ素樹脂の塗料
フッ素というと、歯磨き粉に含まれている虫歯の発生や予防をする成分など、さまざまな日用品を連想されたかと思います。
実は塗料にもフッ素樹脂の含まれたものがあるのです。特徴は紫外線を防ぐような耐候性に優れているだけでなく、高い防汚染性能や発色のよさも持ち合わせています。耐用年数も最長で20年になるため、塗り替え頻度も少なくて済みます。
唯一欠点を挙げるとなると、他2種類の樹脂塗料に比べるとコストが高いことです。外壁を環境要因から安全に守ることを考えたり、塗り替え頻度を考慮したりするとコストパフォーマンスは悪くありません。
3. 特殊な機能を果たす塗料の耐久性
樹脂を含むもの以外にも特殊な機能を果たす塗料がいくつかあります。耐用年数を参照に解説します。
3-1. 光触媒塗料
光触媒塗料の中には、酸化チタンが含まれており、酸化チタンが紫外線に触れると、活性酸素が発生します。活性酸素は外壁の汚れを防ぐセルフクリーニング効果だけでなく、カビの発生や細菌の繁殖も抑えてくれます。
その反面、日陰では塗料本来の役目を果たしにくいところとコストも高くつく点が難点です。耐用年数が20年付近のため、耐久性は決して弱くありません。
3-2. ラジカル制御形塗料
ラジカル制御形塗料は、外壁の劣化の原因となるラジカルの発生を抑えるため耐久性に富んでいます。またカビや細菌、藻のような環境因子への耐候性も強く、コストパフォーマンスにも優れているのです。
外壁が濃い色だと塗料そのものの機能が発生しにくくなるため、塗布する選択肢の色は薄いものに限られてきます。
3-3. 無機塗料
無機塗料は名前のとおり、セラミックやケイ素のような無機物を主成分として含まれたものです。紫外線下にさらされても劣化しないように耐候性があり、カビや細菌の繁殖も防いでくれるような特徴があります。耐用年数も20年以上あるため、耐久性も低いといいがたい塗料です。
機能面が優れているため、他の塗料より価格が高い特徴があります。無機物で構成された塗料のため、外壁表面にひびが入った場合に連動してひび割れを起こすケースもあります。
4. 耐久性は暴露試験によって決められている
塗料の耐久性はそれぞれによって異なりますが、基本的には暴露試験下で行われた結果によって、年数が決まります。主な方法として「直接暴露試験」と「アンダーグラス暴露試験」の2つです。
両者とも、塗料を塗った金属板を雨風や紫外線にさらして、劣化具合を計測します。直接暴露試験の方は屋外、アンダーグラス暴露試験は屋内で行うのを前提にしています。
5. まとめ
本記事では、塗料別の特徴と耐久性について解説しました。「この塗料ならば、〇年はもつ!」というように、断言しかねてしまうものもあります。環境因子により耐久性も変わってくるので、あくまで目安として参考になれば幸いです。
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